【連載vol.16】人工知能についに越された

このアイキャッチに使っている写真は2016年にキューバで撮影してきたカット。クリーム色というのか黄土色というのか、ちょっと渋めのゴールドにも近いこのクラシックカーと背景のビルの色がとてもマッチしていたので撮影した一枚。

この色の車ってなかなか日本では走ってないよね。というかあまり人気がなさそうな色だし日本の風景にマッチしない気がする。でもこうやってこの車種でキューバにあるとなんだかカッコイイな。

さて、今日の本題。先日、写真仲間のhakoちゃんが「人工知能って凄い!」と自分が撮影した写真をアプリで加工したものをアップしていたのを見て、うわ、本当に凄いと思ったのです。

スマホのアプリも色々と笑えるものとかは使ったことがあったし、レタッチアプリもなんとなくは使っていたのだけどこのAIアプリはクオリティが高い。

で、早速ボクもお気に入りの上のキューバの車を人工知能様にお願いしたみたところ、うわー、凄い(笑)! どう凄いかは見ての通り。

いや、これってもしかして今では当たり前のことなのだろうか。そうなのだろう。もうボクの作品を越えて、完全に新しい作品に仕上がっている。それも絵のタッチがいい線をついてくるだけに文句が言えない。

サイズが小さいとか制限はあるけれどそんなものは時間が経てばもっとハイクオリティな加工ができるようになるだろう。

実はずっと、プリントした写真の上にアクリル絵の具で塗って絵を描こうと思っていたのです。写真はそこそこ良い写真があるわけだけど、絵のセンスはまったくないので写真の上から描いてやろうというもくろみ(笑)。自分で言うのもなんだけど写真の構図や被写体はバッチリなので(そういう写真を選べば)、後は筆を使って絵画調に描けばいいやと。

そんなことをずっと、そうずっとちんたらとやらずに考えていただけだったのでいつの間にか人工知能にやられてしまったのです。

チェスや囲碁で人間が負けたという話は聞いたことがあった。でもふーんロボットも賢くなったね、ぐらいにしか思っていなかった。かなり遠い世界の話しだと思ってた。

いやー、もうそこまできてるね。人工知能が書いた小説「賢人降臨」も発売になったし、音楽も人工知能が作ったアルバムが発売されるというではないですか。

きっと写真なんてすぐに乗っ取られてしまうと思う。実はすでに乗っ取られ気味ではあるような気もするが。

いまでもすでにテンプレート写真やカレンダー写真と言われるようなありきたりの写真を撮っている人たちは不要になってくるだろう。だってAIの方が写真が上手いのだもの。

全天候、全光、全カラー、全とは言わずともあらゆる情報をカメラにディープラーニングさせて、「こんな感じ!ポーン!よろしくー」なんてシャッターボタンを押したら、家に帰っての大変なレタッチも不要なぐらいの写真が仕上がってくるのだろう。

いい感じの手ブレなんかも学んで、上手いピンぼけとかも撮れるのかもしれない。いい感じの失敗なんかもしてくれるかもしれない。

4k,8k、ザクッと撮って切り出しトリミングとか、他の世界同様に人間がやることが少なくなってくる。すべて機械がやってくれる世界がきている。将来なくなる職業というトピックもネット上でよくみかける。写真家もそのうちに入るのだろう。

だからこそ!

だからこそ!

ボクたちのハートが大事なんだよ。そこだけは譲れない。そこだけは乗り越えさせない。絶対に!

人間っていうやつが大事なんだよ。すべてがうまくいくわけではないあの生の人間ってやつが撮った写真。それがいいんだ。

彼氏や彼女にふられて涙してしまうような、寒い日に飲んだココアを美味しいと思うような、道端に咲いている名もなき花を美しいと思うような、好きな子と一言でも話ができたときのドキドキのような、ダイヤモンドを敷き詰めたかのような百万ドルの夜景の光と光の間にある暗い部分に人の生活があることに気がつけるような、そんなようなことがわかる人間ってやつが撮った写真がいいんじゃないかな。

さあ、人工知能に負けないように自分の知性と感性を磨くんだ!

 

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