熱いのに、でも静かな紙。

静かで熱い。あー、これが写真っていうものだなと思った。

写真の教科書に書かれていること全部、どうでもいいこと。構図とか、絞りとか、そんなやつ。これは後から書いているのでそう書いたが、写真の展示を見ているときは、まさにそんなことは一切頭に浮かんでこなかった。

きっと中途半端に写真が上手な人にとってはつまらない展示だったのではないだろうか。もしそういう人がいたならそれもわからないでもない。なぜかって、セオリー通りのほら、誰もが想像するような定型化されたお手本のような写真はなかったのだから。

写真のゼミの修了展だし、これは完全に覆い焼き、焼き込みバッチリ焼いたよね……と思いきや全カットともにそんな小細工は一切無しだという。

強く迷いのない想いを持って、伝える努力をした作品群。

それはもう何度も何度も暗室を行き来したことだろう。何時間も何日も暗室にこもり、何十枚も焼き直しただろう。そこには本当に熱い情熱と葛藤があっただろう。

しかしそれとは裏腹に、展示は静かだった。

熱いのに、でも静かな紙。

それが写真だ。
成澤美幸の写真人生スタート。

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