【本ができるまで リアルタイム情報 #0035】
話は遡りますが、本を作るためには印刷所が重要になってきます。当たり前の話ですが、あまり馴染みのない場所ではないでしょうか。
ちょっと前に今回お世話になる日経印刷さんを編集のSさんと訪問してきました。ちなみに社名は日経新聞さんとは関係ありません。
これも出版が決まってすぐに編集者の方にリクエストしておいたことでした。印刷の担当の方と顔合わせをしたいと。
京都で関わるスタッフさんたちとの食事会同様に、印刷担当の方ともコミュニケーションをとっておきたかったのです。やはり作業をするのは人間。お互いの顔や声を知っているかどうかで全然印象が変わってくると思うのです。
僕がどんな人間なのか、相手がどういった方なのか。
写真集を創るにあたって僕一人では何もできません。編集、デザイン、営業、広報、経理…その他にもたくさんの人たちが関わってくださっている。
*
日経印刷さんは、最新鋭機を備えた印刷所でした。一つのビル内ですべてが完了するというシステム。先方のご好意で本ができる行程をすべて見せていただきました。
紙の断裁
インク作り
データーオペレートルーム
刷版機
印刷機
製本機
断裁機…。
いやー本当に凄かった。
すべてがベルトコンベアーで流れていきます。実際の長さではなく印象で言うと50mぐらいのベルトコンベアが、広大な室内をくねくねと曲がり所狭しと流れていく感じです。
印刷機は一言で描写するならば蒸気機関車です。黒っぽい色で、高さや長さがまさにそのもの。それを一人から数名の人がメンテナンスしたり、具合を見ながらコントロールしていました。すごいスピードで紙に印刷されて流れていきます。
乱丁がないように、すべての折という紙のたば(16ページで1折)が、移動する時にカメラで撮影しているのです。すごい速さで動いているのにそれを撮影。
例えばあるページに「食べる。」という文字があったらそれを全部撮影している。たまにヒューマンエラーで「歩く。」という文章が入っている折が流れてしまったらそこで機械が止まるという。頭いいな。
落丁はどうやって防止すると思いますか。なんと重さで機械が判断するのです。1折が抜けてしまったらその分軽くなるのでそれで発見できるという。僕の人生では落丁ということは一度も経験したことはありませんが、今はかなり正確に防ぐことができるのですね。
少しの乱丁、落丁も許さない精巧さで機械たちが動いていました。
断裁された余分な紙は、すごい勢いで太い筒の中に吸い上げられていきました。刷版に使った素材も、余分な捨ててしまう紙もすべてリサイクルするそうです。
いやー、びっくりです。そんなことをやって本というものは作られているのです。
最後に表紙を巻いて出来上がり。本が完成する最後の場所で、営業の方が、「本を触ってみて下さいと」言ってくれた。
どなたの本かわかりませんが、長い行程を経て出てきた本は、なんと温かいのです。やっぱりナマモノなのですね。本が生きている感じがしました。
僕の写真集もこの長い長い行程を経て創られるのだと思うと胸が熱くなりました。こんな僕のためにこれだけ大勢の職人さんたちが、こんなに多くの大きな、精密な機械の管理をしながら作ってくれるなんて感激です。
本当にもう感謝の言葉以外みつかりません。
ありがとうございます。
ここから倉庫⇒取次⇒書店⇒みんなの手元へと届くのです。
もうすぐ僕の本もお世話になります。
つづく…
ということで、
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